元カノを想い泣く Over
数々のモンスター失恋ソングをだしてきたMr.Children。
その中でも人気を誇るのが1999年に4枚目のアルバムとして発売されたAtomic Heartに収録されている桜井和寿が作詞作曲のOverだ。
さあ歌詞解釈するぞー!!
と言いたいですが少々個人話をさせて下さい。小説家を憑依させるから聞いてくだせえ。この曲には思い出があるんです。
初めて恋をした。
高校生のころの初夏だった。よく笑い、誰からも愛されているような女の子だった。もともと仲は良く、普段から話すことも多かった。でもいつしか新たな感情が芽生えていた。
その子を考えると胸に何かが潜んでいるかのように鼓動が激しくなる。もう抑え込むのも難しくなっていた。
必死にアプローチをかけて、どうにか気持ちを奪い、初めての彼女になった。
人生が一気に彩りを増した。白黒テレビが録画機能もついた4kテレビに変わったような気分だった。何をやっても楽しかった。はっきり言ってそのときは脳みそがマンボウのそれと変わらなかった。
付き合う前はCANDYの歌詞のように、ふと夕暮れに思いが爆発するほど気持ちを寄せていた。しかし、「付き合う」ということをゴールとしていた僕はその先のスタートのことを考えていなかった。
デートにいってもどうにもギアが入らず、空回りを続けていた。街の音がやけに大きく聞こえるような沈黙が流れていた。
ある日、彼女から電話が鳴った。それは別れを告げるメッセージだった。薄々感づいていて、何となくそんな予感がしていたから覚悟はできていた。覚悟はできていたから落ち着いていた。そのときは、この日が来たか…と頭の中の仮想が現実になったことをひしひしと感じていた。引き留められる言葉も出ず、電話は切れてしまった。
電話の後は喪失感と虚無感でいっぱいだった。そんな感情が僕をベッドに運んだ。空っぽになった心を何かで埋めなければならない。
そうだ音楽を聴こう
今の自分にぴったりな曲はないかと画面をスクロールしていると、一曲に辿り着いた。そうOverだった。
前から聴くこともよくあったから、今の自分に一番合うと感じてイヤホンをつけた。
何も語らない君の瞳の奥に愛を探しても 言葉が足りない そうぼやいてた君をふっと思い出す
今となれば
顔のわりに小さな胸や 少し鼻にかかるその声も
数え上げりゃ きりがないんだよ 愛してたのに
心変わりを責めても空しくて
一番が終わったところで気が付いた。
涙が止まらなかった。
今までのことが鮮明に蘇った。
自分と重なるところがあまりにも多すぎた。
初めて愛した。数えられないほどの全てを愛した。でも僕に気がもう向いていないのも僕のせいだから責めることはただ無意味なことだった。
それまで閉じ込めていた、悲しみや辛さがOverによってダムが決壊するように溢れ出てしまった。もう塞ぐことはできない
夕焼けに舞う雲
あんな風になれたならいいな
いつも考え過ぎて失敗してきたから
どうすれば笑ってくれるのか。どうすれば心の内を見せてくれるのか。考えれば考えるほど思考は迷宮化する。そのたびに僕の心は暗くなっていく。雲のようにふわふわとした気持ちでいれば少しは楽になれたのかな。
そんな風に全てが僕に向けられたYour Songのように思えて、枕の洪水は被害を増やしていった。
華やかなメロディーと物悲しい歌詞が、より僕の心を動かした。
いつか街で偶然出会っても 今以上に綺麗になってないで
たぶん僕は忘れてしまうだろう その温もりを
愛しき人よ さよなら
何も語らない君の瞳も いつか思い出となる
言葉にならない悲しみのトンネルを さぁくぐり抜けよう
華々しい日々が走馬灯のように駆け抜けていた。
しかし、さよならしなければならない。決心しなければならない。そんな日々を思い出に変えなければならない。
止まらない涙を乾かし、次の道へ行く。
悲しみを乗り越えよう。
はい終わりでーす(笑)
自分に酔ってる書き方で、自分でもちょっと気持ち悪いかも。
兎にも角にもOverは自分の体験と重なる部分がとても多かったです。もともと好きな曲でしたが、自分の人生と曲が重なり合うことで、よりメッセージがひしひしと伝わります。
皆さんも人生と重なる曲はありますか?
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